廃線サイト 〜失われた鉄路を辿る〜

磐越西線旧線(旧中山宿駅)廃線跡

中山宿駅は1898年(明治31年)7月に仮停車場とし開業。その翌年の1899年(明治32年)3月に正式に駅となりました。当初は「折り返し型スイッチバック」方式を採用していましたが、輸送力を増強させるため、後に「通過型スイッチバック」という方式に改良されました。これにより、効率のよいスイッチバックが可能になりました。長く活躍をした中山宿駅のスイッチバックではありましたが、近年になると、交換する貨物列車も無くなり、1971年(昭和47年)9月に貨物・荷物の取り扱いを廃止、1983年(昭和58年)3月には無人駅化され、1997年(平成9年)3月に本線上に駅を移転させスイッチバック式の駅は廃止されました。

今でも残る旧中山宿駅

この路線は中学生の頃に旅行で乗車しました。その時は、会津若松から郡山まで移動で乗車。その際にこの中山宿駅にスイッチバックで入線していたのを思い出します。スイッチバックの駅では初めての体験で、出発までの時間が意外と長く行き違いでの待ち合わせで7分ほど遅れての発車となり、郡山駅からの新幹線に乗り遅れてしまい、MAXやまびこ号に乗れなかったのが悔しかったです。

旧中山宿駅へ行くには、国道を進み、中山宿集落の手前で旧街道に入りしばらく進んでいきます。すると右手に細い砂利道が現れます。そこが旧中山宿駅跡への入り口です。砂利道を上がっていくと割と広い空間にホーム跡が現れました。しっかりと線路も残っています。


遠くからホーム跡を望む。ホーム跡に駅名標が残っています。

旧中山宿駅
旧中山宿駅2

ホームは残されていましたが、待合室などは痕跡もありませんでした。またホームの端まで歩いてみると、思いのほか旧中山宿駅はホームが長かったようです。


錆びた線路が残る旧中山宿駅跡。意外とホームが長い旧中山宿駅跡

錆びれた線路が残る
旧中山宿駅跡3

現在線の合流地点付近から旧中山宿駅跡を望む。錆び付いた線路が残っており、転轍機もしっかりとそのままの状態でありました。最後に引き上げ線跡を確認してみると、現在線の左側にそれらしき跡が残されていました。


転轍機も残っている旧中山宿駅跡。旧中山宿駅跡から引き上げ線跡方面を望む。

転轍機が残る

今ではスイッチバックが消滅し、普通の駅になった中山宿駅ではありますが、旧駅のホーム跡などは残されており、引き上げ線の跡もまだ見ることが出来ます。新幹線で郡山まで行き、そこから磐越西線に乗車してそんなに遠くない場所にあるので一度訪れてみてはいかがでしょうか。