廃線サイト 〜失われた鉄路を辿る〜

米軍厚木基地専用線(相模大塚)廃線跡

相模大塚から厚木基地への専用線で1942年に完成しました。1998年まで、厚木海軍飛行場へと燃料輸送が行われていました。廃線ではなく休止線という扱いで、防衛施設庁から相鉄が管理を委託されている線路として存在しました。しかし今現在では廃止となり、飛行場までの廃線跡は宅地化が進んでおり、架線柱や線路が撤去され跡形もなくなりました。ここでは、まだ線路などが完全に残されている時の状況を写真付きで紹介します。

米軍厚木基地専用線の廃線を辿る

米軍厚木基地専用線は、相鉄線の相模大塚駅付近の踏切を越えた辺りから分岐しています。分岐した線路跡は住宅地の中を通っており、架線・架線柱なども、そのまま残されていました。

右へ分岐している廃線。住宅地を進む廃線(相鉄線側を望む)

相鉄線から分岐する廃線
住宅地の中を進む廃線

暫く住宅地を進んだ廃線は、踏切で県道を渡り、再び住宅地の中へと進んでいきます。警報機や標識も撤去されずに残されており、現役線と間違えてしまいそうです。(この辺りは現在では完全に踏切・線路などは撤去されてなくなっています)

踏切で県道を渡っていた廃線。再び住宅地へ進んでいく廃線。

踏切で県道を渡る廃線
再び住宅地の中を進む廃線

この先は、しばらく真っ直ぐ線路がのびています。途中、「でんしゃにちゅうい」の看板を見る事も出来ました。専用軌道でもある為か、線路が途切れることなく続いていました。(現在ではこの辺りは住宅が建っています。)

でんしゃにちゅういの看板がありました。そして真っ直ぐ伸びている廃線。

でんしゃにちゅうい
真っ直ぐ伸びている廃線

廃線跡は、さらに基地の方へ向かって伸びています。この先、木が垂れている場所があり行く手を阻まれてしまします。真っ直ぐ進む廃線は、陸橋で東名高速の上を越えていました。(現在は住宅が建ち並び、面影はほぼなくなっています。陸橋の直線区間は、線路が撤去されたとは言え、面影は何となく残されています)

一直線に伸びる廃線跡。陸橋で東名高速の上を越えていく。

一直線に伸びる廃線
東名高速の上を越える廃線

陸橋で東名高速を越えた廃線は、南の方角へカーブをして続いています。このカーブを越えると、基地はもうすぐです。(現在ここは住宅地が建ち並び、トランクルーム施設もあります。カーブが当時の面影を残すのみの状態です)

カーブしている廃線(東名側を望む)。そして南へと方向を変える廃線。

一直線に伸びる廃線
東名高速の上を越える廃線

カーブを終えると、廃線跡は踏切を渡り真っ直ぐ伸びています。しばらく進んだ先の金網の前で線路が途切れています。これより先は、基地のため進入禁止となっています。(現在は線路が撤去され草むした状態で残っています。配電盤や架線柱、踏切などは完全に撤去されています)

踏切が残る廃線と基地へ伸びる廃線。

踏切が残る廃線
基地へ伸びる廃線

以上のように写真は撤去前の状態なので面影がはっきりと残っていました。そんな休止線の状態の時に完全に残されていたこの場所は、今や住宅地が建ち並び、面影はほぼなくなってしまいました。この場所に線路があった事は、もはやわすれさられようとしているのかも知れません。しかしながら終端へ向かっていくと、かつてこの場所に線路があったんだと言う事が、草むした状態の廃線跡が終端の一部ではありますが残されているので、知ることができます。